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がん細胞でおきている遺伝子の機能・構造異常の解析の分野では、DNAチップ(マイクロアレイ)を用いてがん組織の網羅的遺伝子発現解析をしている。
がんの悪性度や治療への反応性、予後などをおもにきめているのは、がん細胞の遺伝子異常だからで、がん細胞の“個性”胃がんでは、抗生物質でヘリコバクターピロリ菌を除菌する予防法があるが、逆流性食道炎がおきるなどの副作用が出ることもあるうえ、コストがかかる。
塩辛い食べものをひかえるといった生活習慣指導についても、リスクの高い人たちに関してはベネフィットに見合った予防法を展開できるという。
「胃がんでは10万カ所の一次スクリーニングが終わり、さらに2000〜3000カ所にしぼって二次スクリーニングをはじめたところです。
胃がんにかかわる遺伝子が最終的にいくつあるかわかりませんが、おそらく10数個程度ではないでしょうか」それらの遺伝子がみつかってくれば、個人のリスクに合わせたオーダーメイドの予防対策や、病気のメカニズムの解明と新しい治療法の開発へもつながるだろうと期待される。
「手術は食道を切るだけでなく、腸を使って食道を再建する大がかりなものになるので、高齢の患者さんにとっては大変です。
とはいえ、放射線化学療法も半分の人には効かない。
あらかじめ効く人と効かない人が判別できれば、この人は放射線化学療法でいこうとか手術でいこうと治療方針がきめられます」と、Y田部長。
そこで、放射線化学療法のあと長期生存した症例15例と、早期に亡くなった2例について約1万2000個の遺伝子を解析した。
その結果、178個の遺伝子の発現パターンが両群で大きく異なることがわかった。
今後はさらに症例数を増やし、予後のわからない症例で前向き調査を進める。
さらに第3段階として、この遺伝子検査で治療法を選択した人としなかった人とで3、4年後の予後を比べる予定だ。
もう少し時間はかかりそうだが、「がん組織における多くの遺伝子の発現パターンを調べることで、個々の患者に最適な治療、すなわちオーダーメイド医療が実現できる」日は、確実に近づいている。
ベッドサイドで患者の遺伝情報を解析ゲノム情報にもとづく個別化医療を推進するのに欠かせないのが、個々人の遺伝子の違いや発現状況を調べるDNAチップである。
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